脳梗塞後遺症による「しびれ」の原因は大きく分けると中枢性と抹消性の２タイプあるとされています。

１つ目の「中枢性」は、脳血管障害で脳の中の身体の感覚をつかさどる領域が傷つき、感覚神経の情報処理の異常のため、脳の中で痛み感じてしまうものです。

２つ目の「抹消性」が原因のものは、脳内が原因ではなく、脳血管障害による後遺症により、拘縮した筋肉が神経を締め付けて痛みを生じるものです。

より治りにくく、厄介なのが前者（中枢性）で、脳内の感覚領域が傷付けられて生じるしびれになります。

よって、痛みや感覚の異常が強くても、その痛みが原因で脳梗塞を再発する心配はありませんが、リハビリ・マッサージでの根本的な改善は難しいのがこのタイプ（中枢性）の障害になります。

まず当院が重要と考えている事があります。

「動かす」ことは「クスリ」
「動かす」ことの必要性

脳梗塞の後遺症により麻痺をした手足は、動かせないことによる運動障害から血行不良となり、むくみを生じます。そして筋肉が固くなり、神経を圧迫すると痺れが生じます。

筋肉が固まらないための唯一の方法は「動かす」ことです。

当院では「起立ー着席訓練」を必要な方に対して一緒に行うことを行っています。しかしながら、ご自身での運動が出来ない方の場合、他の人の力を使ってでも「動かす」ことが大切になります。

いわゆるリラクゼーションとしてのマッサージではなく、「動かす」ことを目的としたマッサージを行うことが必要になります。

当院の利用者様に、比較的短期間で症状の改善が見られた事がありましたが、施術して脳内の感覚領域が直接的な原因ではなく、「拘縮した筋肉が神経を圧迫したこと」によるしびれが原因だった可能性が考えられます。

このようなしびれの場合、その原因となってる神経を圧迫させている筋肉を特定して、その筋肉の緊張を緩和する施術を行うことで症状が緩和できることがあります。

脳梗塞後のしびれに関しては「改善」自体は難しいことが多いですが、障害を引き起こしている原因によっては、改善が期待できるケースがあります。