その後訪れたメキシコで「国境なき鍼灸師」の本でも知られているTAO東洋医学研究所にいる 故 門脇先生、菊池先生、サロモン先生と出会いました。

彼らの活動は実にユニークでした。メキシコにおける都市部と先住民が暮らす農村部の貧富の格差は深刻で、農村部は学校、病院、道はなく、食べ物すら満足にないところが多いのが現状です。

彼らは豊かな都市部で日々施術しながら活動費を稼いだお金を、休日を使って、政府からも見捨てられたような形になっている取り残された農村部へ、鍼灸をするのが彼らのライフワークでした。

彼らは私に「人を助けることが喜び」と人を救うことができる「鍼灸」という仕事の素晴らしさを教えてくれました。

それは、

「自分は、一体なんのために生まれてきたのだろうか？」
「自分にとっての一生の仕事って一体なんなのだろうか？」

という問いかけの一つの答えにようやく辿り着けた瞬間でもありました。

そして私はその時決めました。モンゴルで出会った斉藤さん、メキシコで出会ったTAOの鍼灸師の先生のような人を救うことのできる人間になるという事を。

それから即帰国後、鍼灸学校へと進み、ツボなどの東洋医学を学びながら解剖学や生理学など施術には欠かせない医療の基礎を学びました。学校に通いながら学費を稼ぎ、深夜はマッサージ店で腕を磨き、週末は師匠の下で学びにいくという、最短で一流の施術家になるための生活をしていました。

国家資格取得後、より辛い症状で悩まれている方がいる在宅での施術をしたいとの想いからある大手訪問鍼灸マッサージ店で就職しました。これまで学んできたことを還元したいと必死で働きました。

しかし、そこで気づいたことがありました。

大手だからといって、痛みに困っているお客さんを救えるわけではない！ということです。

それは、私が働いていた大手訪問マッサージ院では、施術内容が、どんな症状を持った方に対しても、型にはまった通り一遍の施術でした。スタッフの出入りの激しい大手では仕方がない事なのかもしれません。

しかし、様々な悩みや症状を抱えられたお客さんに対しても、いつも同じ施術内容では、改善させられるものも、出来なくなってしまいます。

また、基本的な施術技術や、施術に対する考え方、お客様に対する施術の情報共有がスタッフ間で統一されていなかったために、お客様からの信用を失うことが多々あり、それがスタッフの自信やプライド、仕事に対するモチベーションを下げることにつながっていました。

スタッフが辞めては、また新しい人を補充するといった、とても良い雰囲気とは言えない環境だったのです。

スタッフ一人一人が施術家としてプライドをもち、お客様の症状を改善して、お客様の喜ぶ顔をみる…そんな、当たり前のことを当たり前のようにできる理想の店舗の仕組みを作りたい。それこそが私の使命ではないか？と思うようになり、風の谷の治療院を立ち上げました。

理想の会社に近づけるように、日々、たくさんの笑顔を頂きながら、楽しく働いています。

定期的に技術勉強会を行うことで、常に技術の向上できる環境を整えます。時には外部講師を招いて、セミナーを行います。

お客様からの信頼を得るためには手技だけの習得では足りません。お客様の殆どは社会経験豊富な高齢者の方々です。お客様は私たちが普段意識していない、身だしなみ、服装、言葉使い一つで私たちを判断します。

いくら手技が上達しても、人間性が素晴らしくても、服装や髪型で嫌な印象をもたれては拒絶されてしまいます。当院ではこのように、外見からも常にお互いをチェックしあいます。

いくら良い施術技術があっても、それを相手に伝える言語なければ、相手は納得して施術を受け入れてはくれません。例えば高級レストランにいって、肉を出されたときに、説明なしに肉を出された場合と、「これはスペインから直送したイベリコ豚を使用しています」と一言添えられて出されるのでは、食べ終えた印象は全く変わったものになるでしょう。

施術も同じです。いかに、お客様に施術の目的や施術の必要性などを分かりやすく伝える事ができるかが、施術効果にも大きく左右します。今後、あなたが施術家として成功できるかの鍵になるといっても過言ではありません。当院ではお客様へ、いかに伝えるかを重視して、スタッフ間同士、勉強会でロールプレイングをして、説明力を向上させることにつとめていきます。

スタッフが共に向上していくといった当院の方針は、私たちスタッフの今後の人生をより良いものにするため、私たちが幸せになるために行っています。

そして、そのことが、結果をしてお客様やお客様に関わるすべての方を幸せにしていくと考えています。

当院ご興味のある方は、ぜひ下記のフォームよりご連絡ください。
また、訪問マッサージの現場に興味のある方は、見学を受け付けています！お気軽にお問い合わせください！